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カテゴリ:美術展・博物展のはなし( 102 )

 

唐招提寺展 国宝 鑑真和上像と盧舎那仏

a0036755_22384048.jpgいいもの見た!いいもの見ましたよー。仏教とかお寺とか好きな人は是非見てきて下さい。金堂平成大修理記念 『唐招提寺展 国宝 鑑真和上像と盧舎那仏』、東京国立博物館(上野)で1月12日(水)~3月6日(日)です。

実はそんなに期待していなかったんです。たぶんガラスケースの中に仏像をずらずらっと横並びに並べてるだけだろうなーなんて思っていて……ところが、入ってみると、【金堂再現】というコンセプトで、広間に寺のように仏像達が配置されてる。すばらしい!すばらしいよコレは!いや、もう、ありがとう東京国立博物館。しかも金堂に行ったとしても外側からしか眺められないらしく、その中に入って見ることができるのは贅沢な体験。お寺の装飾が無いのもシンプルに仏像たちのパワーを感じられていい。酔いそうなぐらい。後姿をじっくり見ることができるのもいい。どれも後姿が綺麗なのよ。背中のラインとか、全身のすっと流れるようなバランスの良さとかね。それぞれの真後ろに立って、しばらくうっとりと眺めてきました。

彼ら一人ずつの違いなんかを見比べつつ、徐々に気分を盛り上げながら奥のラスボス・盧舎那仏坐像へ。でかいなぁーなんて当たり前のことを思いつつ、彼(盧舎那仏)の背中も綺麗なラインで「いいねぇ」なんて思いつつ、頭のパンチパーマ(螺髪)がちょっと欠けてて「彼も苦労してるんだよ。ハゲがあった」なんて相方の言葉に笑いつつ、ふと彼(盧舎那仏)の背後から全体を見渡して。全員(仏像)の姿(みんな後ろ向き)を目にして、「あ、これはチームだ。」と発見かつ確信。ボスが、「よし行け!」と部下を放ったように見える。じゃぁ今度は、と正面から全体を眺めてみたら、おお、これはサッカーのフォーメーションじゃないか!FWの位置には四天王より持国天と増長天で、それぞれ武器のようなものを手にしているから攻撃的な選手(?)といえるし、増長天はちょっと目立ちたがり屋な感じで大久保っぽいような気もしてきて、持国天の渋い一撃必殺っぽい佇まいは久保や高原のようだ。作られたのが奈良時代であるせいか、足の動きはまだ大人しい。さて、中盤には冷静で頭の良さそうな雰囲気の梵天と帝釈天。彼らは鎧の上に袈裟を着ているので少しソフトに見えて、司令塔っぽい。キラーパスをがんがん出してくれそう。その後ろ、DFにはまた四天王から広目天と多聞天。彼らはしっかり者っぽいのでDFにはぴったり。多聞天が攻撃参加しそうな佇まいなのも良い(多聞天は毘沙門天でもあるし)。左サイドを駆け上がって欲しい。広目天の顔の横幅の広さと眉毛の太さもDFキャラっぽくてたまらない。盧舎那仏は当然GK。彼がゴールを守っているなら安心だ。「え?じゃぁあれが川口?それはちょっと…」と相方。私的にもそれはちょっと。ここはやっぱりカーンでしょ。貫禄もあるし。

……何の話をしてるんだか分からなくなってきましたが、唐招提寺展です。次の【金堂 -平成の大修理-】は博物学的な展示で、修理の内容やその歴史、瓦の陳列など。これは「へぇー」って感じ。

最後の【御影堂再現】は、これもまた素敵な空間。東山魁夷による障壁画(ふすま絵)と屏風絵、そして鑑真和上坐像。絵はどれも素敵だったけど特に日本が描かれた「濤声」と「山雲」がすごく良い。「濤声」は海の絵なのだけど、波が本当に動いているようで、波に飲み込まれそうになってしばらく動けなり、酔いそうになる。

同時開催の親と子のギャラリー「仏像のひみつ」も面白かったですよ。仏像のことが分かりやすく解説されてました。行きか帰りに、ちょっと歩いてみつばちのハニー焼きもどうぞー。
 

by marinji | 2005-02-27 22:22 | 美術展・博物展のはなし  

東京都庭園美術館:幻のロシアの絵本1920-1930年代

a0036755_12282880.jpgフーライボさんのブログで読んで、見たい!と思っていたもの。
もうすぐ終わりなので、急いで行ってきました。(画像はチケット)

ロシア革命後、童話を題材とした絵本ではなく、もっと現実的に"今"の子供たちを描き、また子供たちに伝えたい事を描いたもの。時代の勢いが反映されているのか、今見ても斬新でポップなデザイン・色使いが目を引きます!

その意味とか意義とか抜きに、「あ、これ好き!」「これも可愛い!」「これはちょっとどうかなー」なんて思いながら見るのも楽しい。ロシア語の文字がまた、異国情緒あふれてていいんだなぁ。

時系列に並べられているのですが、見ていくと、革命後の新しい国・新しい未来に希望あふれて刺激的な絵本→多少生活が安定し始めたのか子供への教育を意識し始める絵本→ソヴィエトの政策を称える絵本→そして最後には規制されて消えて行く......という時代の大きな渦に巻き込まれて行く様を追体験できてしまいます。展覧会のタイトルでも分かるように、たった10年のことなんですね。ブリットポップみたいなものか。違うか。

東京都庭園美術館は初めて行ったのですが、この館の豪華ぶりにもびっくり。いいもの見た!殺人事件起こりそう!とドキドキしてまいりました。豪華といっても全然ゴテゴテしてなくて、さりげなくて、上品。隅々まで隙が無くて(暖炉のカバーの鉄格子に魚や貝があしらわれていたり)、でもそれで息苦しくなるような緊張感も無く。朝香宮邸として昭和8年 (1933年)に建てられた建物を、そのまま美術館として公開したものだそうです(*朝香宮殿下は久邇宮家第8王子、妃殿下は明治天皇第8皇女)。

この絵本展のメインではないのですが、初期の絵本として紹介されていたイワン・ビリービンの幻想的な絵本が素敵でした。ロシア民話を描いたもので、今回の絵本展では一時代前の絵本となってしまうのですが。絶対にミュシャ好きでしょ!と思うアール・ヌーヴォーな絵、図柄と、浮世絵からも影響を受けて北斎「富嶽三十六景」バリバリの波を描いちゃったりするところが好き。Amazonで検索かけたら出てきたよ。買っちゃおうかな。


★参考
フーライボさんのブログ「アダンノキ」より、ロシアの絵本展
東京都庭園美術館 公式サイト

幻想美術館:イワン・ビリービン
Amazonにてイワン・ビリービン検索

ロシア革命(文章)
第一次世界大戦とロシア革命(文章)
第1次世界大戦とロシア革命(キーワード)


BGM 「Not Gonna Get US」 T.A.T.u. (露語ver)
  

by marinji | 2004-08-29 12:33 | 美術展・博物展のはなし