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リー・ミンウェイ/奈良原一高/高松次郎/赤瀬川原平/エルメス/仁阿弥道八/ミレー(三菱)/古画降臨

2014年12月に見た美術展。

改めて並べてみると、一つ一つが濃いな。


リー・ミンウェイとその関係展 参加するアート-見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる (2014/9/20-2015/1/4、森美術館)

9/20からやってたんだけど12月にやっと行きたくなって、森美術館は22時までやってるから思い立ったらすぐ行けた。ありがたい。(火曜日のみ17時まで)

作品はいわゆる芸術作品とは違って、体験型というか観る側も一緒になって作るというか。例えば、広い台の上にいくつもの箱が置かれていて、開けてみると、応募した人たちの思い出の布(で作られたもの)と思い出を綴る文章。ひとつひとつ開けてはしんみりしたりじんわり温かくなったり。また、手紙を書いて残して行ったり。中には、リーさんと二人きりで食事するとか一緒に美術館に泊まるというものも!(応募して当選した人のみ)

それがアート作品なのか?というのは私にはなんとも言えないけど、とにかく面白かった。なんらかの方法で誰かとつながってゆく、ということが今気になっているっていうことなんだと思う。思い返せばこの一年はずいぶん勝手に過ごしてたから。

展示室内に設置されたリビングルームで館長の話を聞きました。ソファで少人数でくつろぎながら。今思い出しても不思議な体験。

>>> 森美術館
>>> リー・ミンウェイさんの、アートのかたち - ほぼ日刊イトイ新聞



奈良原一高「王国」 (2014/11/18-2015/3/1、東京国立近代美術館)
高松次郎ミステリーズ (2014/12/2-2015/3/1、東京国立近代美術館)

「王国」は写真展。1958年の作品ですが、ニコンより寄贈を受け、今回展示となったものです。白黒で、修道院を撮影した「沈黙の園」と女性刑務所を撮影した「壁の中」の二部構成。どちらも、ものすごい緊張感。写真越しにヒリヒリした空気が伝わってきました。現実のはずなんだけど、現実に見えない。なんだろう。もう一度見てみたい気がします。

高松次郎ミステリーズは、近美所蔵の作品が好きなので行ってみました(「遠近法の椅子とテーブル」と「No.273(影)」)。作品はクール、おしゃれ、頭よさそう。よく分からないけどわりと好き。”ミステリーズ”とタイトルについているだけあって作品の謎解きをするような構成になっていましたが、私はわりと、謎のままで好きになれました。理解できてるかと言われると、理解できてないだろうけど。

企画展込みの年パス(友の会)ができたので、さっそく購入。トーハクと同じで企画展は1展1回のみですが5000円と安いです(12月中に購入すると4000円でした)。これで国立の美術館の常設展にも無料で入れるということで西美の常設に入れるよわーい!(たまに常設だけに入りたくなるんです)

>>> 東京国立近代美術館



赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで (2014/10/28-12/23、千葉市美術館)

開催直前(10/26)に赤瀬川さんが亡くなられて、驚きました。私は赤瀬川さんというと日本美術応援団。ハイレッド・センターや千円札裁判については言葉は知ってるけど…という程度だったので、一通り網羅した(と思われる)この企画展は大変興味深い内容でした。

ちょっと引きそうになる現代アートだなーっていう作品から、アングラでドロドロだけどポップな作品へ、そして老人力で終わるっていう…その開け方がすごい。何かしら新しいものを思いついて、それで成功して、でも数年立つと興味を失うっていう繰り返し、ただすごいなーと思います。そもそも思いつかないし成功しないもんな。

千円札裁判の資料が非常に面白かったです。裁判所で現代アートの説明をするくだりとか。裁判までもがアートイベントみたいになってて、なんかもう、関わった皆さんお疲れ様でしたって言いたくなりました。

近美の所蔵作品展示に中西夏之さんの作品もあったので、ハイレッド・センター(高・赤・中)の3人の作品をまとめて見ることができました。中西さんは数点しか見てないので、難しいんだかポップなんだか…まだよく分かりません。

>>> 千葉市美術館
>>> 貧乏と芸術の間の千円札。 -ほぼ日刊イトイ新聞



エルメス レザー・フォーエバー (2014/12/2-12/23、東京国立博物館 表慶館)

エルメスの製品はひとつも持ってないのだけど、表慶館での展示というのが気になって見てきました。表慶館(洋館)にエルメスの製品の数々、よく合ってる。新作のレビューみたいなのを想像してたけど、これまでの歴史が中心で使い込んでいい色になった革のバッグなどあり。革は使い込んでからがいいですよね。馬の鞍・ブーツがあったのも革製品を扱うってのは、なるほどそうか、と納得。素敵でした。買えるかどうかは置いといて、欲しくなります。今から買って、30年ぐらい使い込みたい。いや、買うかどうかは置いといて。置いとこう。

特注の製品展示に1個の林檎用のバッグがあって、かわいかったー。ていうかいくらよ、あれ。

本館の常設展示には若冲「松梅群鶏図屏風」、応挙「虎嘯生風図」、白隠「福神家訓」など。1階の仏像のコーナーには十二神将立像で、眼福。

>>> 東京国立博物館
>>> Hermes -エルメス レザー・フォーエバー展



天才陶工 仁阿弥道八 (2014/12/20-2015/3/1、サントリー美術館)

19世紀前半の方なんですけど、まずは、写しがうまくて。この時代までに確立されていた焼き物のジャンルをいろいろと写していて、それがまた全然違う作風なのにどれもうまい。少なくとも私みたいない素人には写しじゃなく元祖の物のように見える。野々村仁清風だったり、青磁やら高麗茶碗やら。これはうま過ぎて特徴がよく分からないっていうパターンかなと思いましたが、動物等の置物がなんとも言えないかわいらしさ、面白さだった!

年内に行ってしまいましたが、年明けに見る方がおめでたい感じでいいかも。

>>> サントリー美術館



ボストン美術館 ミレー展 傑作の数々と画家の真実 (2014/10/17-2015/1/12)

府中のミレー展は全体像を探るような展示でしたが、こちらはミレーらしいミレー。風景画、農民画が中心です。そしてミレーの作品だけでなく同時期同ジャンル(バルビゾン派)の作品も。おかげでミレーの独特な、真面目というか暗いというか清貧というか真面目というか真面目というか真面目か!な画風がよく分かりました。また、府中のショップで買った井出洋一郎さん(府中市美術館館長)の「ミレーの名画はなぜこんなに面白いのか」に今回展示されている作品も広くカバーされていたのでこれからまた読み返してみようと思ってます。

気になったのは…額縁がどれもこれもギラギラだったこと。描かれてる内容が貧しい生活風景だったりするだけに、それに金色でゴッテゴテな額がついてるのがなんとも…。もうちょっとさりげない額だったらいいのになー。写真で見る時はだいたい絵の部分だけで額までは写っていないので、これは意外でした。もちろん三菱一号館に対してじゃなくて所蔵元のボストン美術館、またはさらにその前の所蔵者への話。

>>> 三菱一号館美術館



「古画降臨-Coga Calling-」山本太郎展 (2014/12/24-2015/1/6、日本橋タカシマヤ6階美術画廊)

ゆるい琳派で「ゆるりんぱ」。かわいいな。山本太郎さんの作品は初めて見たんですが、ちょっと、これからしばらくチェックしてみようかと思いました。新宿タカシマヤでも展示されるのでそっちでもう一回見ようかしら。日本橋高島屋、入口入ってすぐの正月らしい展示も山田太郎さんの作品で、華やかで、めでたい。

画廊ということで絵の値段が書かれていて、「おお、これは○○円…買おうと思えば買えるな…」と考えてしまいました。自分がその作品を所有したいと思うかどうか。過去の名作も当時はそういう風に誰かが悩んだはずで。もちろん自分は大物パトロンにはなれないですが、それでも何らかの作品の所有者になるだろうか?ということを最近少し考えます。

※ダンス甲子園で政治家の山本太郎氏とは別人。

>>> 日本橋タカシマヤ 6階 美術画廊 等
>>> 山本太郎 公式WEBサイト|ニッポン画大全
>>> 琳派400年記念祭


2014年の美術鑑賞はこれで終わり。年内に行きたかったけど行けなかったのは、現美のミシェル・ゴンドリー展、松屋銀座の古田織部展、未来館のチームラボ展。年明けに頑張る。あと、ベスト10を選ぼうと思っていたのだけど、年明けにゆっくり選ぶことにします。

それでは、よいお年を。 
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by marinji | 2014-12-31 22:39 | 美術展・博物展のはなし  

ウフィツィ/フランス絵画/東山御物/高野山/iichiko/国宝展

2014年11月に見た美術展。

一つ一つが当たり(好み)だった印象です。


ウフィツィ美術館展 -黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで (2014/10/11-12/14、東京都美術館)

内容はウフィツィというよりフィレンツェ美術館群の宗教画展という感じ。時代はルネサンス前後あたり中心。展覧会名からイメージしてた内容とは違ったけど、個人的にはけっこうツボだった。ヨーロッパの教会に行った時みたいで。テンペラ画がわりと多く見られたのも良かったな。フレスコ画があったのも驚いた!ボッティチェリは今回の目玉の「パラスとケンタウロス」もよかったけど、フィリッポ・リッピぽい「聖母子」は新鮮だった。リッピの方が美人さんでボッティチェリの方が真面目で固い感じ。

メディチとかサヴォナローラとか、塩野七生好きにはにやっとしてしまうキーワードもそこかしこにあり。

ウフィツィ美術館には一度だけ行ったことがあるのだけど、もう15年も前の話でしかも全然覚えてない…なんともったいない…。そういえばそのイタリアに行った時には、西洋画は痛々しい宗教画が多くてつらい、と思った記憶があるのだけど、今回はそれは無かった。自分が見慣れたというわけではなくて、磔刑図より聖母子の絵が多かったからじゃないかと。日本人向けに選んでくれてるなと思いました。

>>> 東京都美術館



夢見るフランス絵画 -印象派からエコール・ド・パリへ (2014/10/18-12/14、Bunkamuraザ・ミュージアム)

印象派というともうお腹いっぱいというか、そろそろもういいかなっていう状態だったんですけども。展示物が全部ある一人の収集家の方のコレクションという噂を耳にしまして、これを逃すとなかなか見られるものじゃないのかもと思い見に行ってみました。

個人コレクションは当たりが多い印象なんですけど、これも良作ざくざくてんこ盛りでよかった!!モネとかルノワールとかセザンヌとか…それぞれがそのど真ん中な表現からは少し違っていて、でもそれが良いっていう作品揃い。例えばモネの水蓮は、水に写った青空の青色が多い作品なのに、ここでは画面のほとんどが緑色。それが素敵なんです。これは見に行ってよかったな。

印象派もうっとり祭だったけどその後の時代の画家もヴラマンク、ユトリロ、ルオー、キスリング、シャガール等々揃っていて眼福でした。ヴラマンクは実物よりも印刷物の方がハッとさせられる印象。ここは金曜日は夜9時まで開いてるのが嬉しい。

>>> Bunkamuraザ・ミュージアム



高野山の名宝 (2014/10/11-12/7、サントリー美術館)

高野山開創1200年記念。とにかく、

まじかっこいい!ばりやばい!

という雑な感想をメモしていましたが、それぐらい文句無しでよかったです。目が肥えてないので解説されないと良さが分からないことが多いんですが、これは問答無用でかっこいい、造形美。展示もゆったりとして見易かった!何回か見に行きたかったんだけど、一度しか行けなかったのが本当に残念無念。

>>> サントリー美術館



東山御物の美 ―足利将軍家の至宝― (2014/10/4-11/24、三井記念美術館)

足利将軍家かー興味ないなーと思ってたわけなんですが、油滴天目(大阪市立東洋陶磁美術館)が展示されるというので。静嘉堂文庫で曜変天目を見て以来、別の物も見てみたくなりまして。茶碗、面白いかもなぁと最近思い始めてます。

で、茶碗等々は「あれよかったなー」って思い出せるんですけど、後半の絵画が…思い出せない…。そんでもってネット上のレポートを漁ってみたらとにかく「桃鳩図」だと。しかも展示期間短いのに私はその初日に見に行っている。見てるはず。だけどやっぱり記憶が…うーん、絵は人が多かったからあまりちゃんと見なかったかなー?なんて思いながら展示リストを見たらばですよ。桃鳩図のところに◎がついてた。自分の手書きで。そっか、良かったのか。中国絵画は私にはまだ早かったみたい。

>>> 三井記念美術館



河北秀也 東京藝術大学退任記念、地下鉄10年を走りぬけて iichikoデザイン30年展 (2014/11/13-11/26、東京藝術大学大学美術館)

酒飲みなのでiichikoデザイン展というところに惹かれたわけなんですが、思いの外良かった。iichikoのポスターやCMを手掛けただけでなく、地下鉄のマナーポスターや路線図なども担当されていた方だそうで。展示室内には地下鉄を模したセットが組まれており、ポスター、中吊り広告などずらっとセットに沿って展示されていました。マナーポスターが面白かったな。ハッと目を引くデザインが多くて。古臭い感じは無く、今貼られていても目を引くデザインが多かったです。

iichikoのポスターはとにかく、綺麗な景色で。そこにiichikoのボトルが、はっきりと分かりやすく写ってるものもあれば、間違い探しのようにひっそりと写ってるものもあり。一枚一枚を見た記憶は無いのだけど、「ああ、iichikoのポスターってこういう感じだよな」っていうのはよく分かります!もう、綺麗な景色の写真を見ればiichikoっぽいなと思うぐらい。そしてなんとiichikoポスター集(図録)がもらえました。じっくり眺めながらちびちび飲みたいです。

>>> 東京藝術大学大学美術館



日本国宝展 -祈り、信じる力 (2014/10/15-12/7、東京国立博物館)

金印初日に行きました(偶然)。入場は約20分待ち。翌日がシルバーデーだから空いてるだろうと思ってたんだけど、混んでましたねー。でも翌日以降もっと混雑していたらしいので、まだよかった方なのかも。金印、じっくり見られました。小さい。けど重そう。知ってるけど実物は見たことが無いものを見るのって、不思議な感じです。芸能人に会った時の「同じ顔してる!」っていうのと同じような感じ。展示替え情報を確認してなかったので、長谷川等伯「松に秋草図屏風」(智積院)の展示が終わってたのが残念。あれです、ビールのCMで福山雅治の後ろに映っていた金屏風です。京都に行くしかないか。。。

展示されているものがどれもこれも国宝なので、見てるうちにカタログを見てるような気持ちになってしまったのはまだまだ私の修行が足りない。はい。ただ、祈りというテーマが設けられていたので、それなりの統一感を持って見ることができました。

同時期の本館の所蔵品展示、襖絵・屏風絵の間がたまらんかったです。ガラガラだしね!独り占めだよ!展示されてたのは武蔵野図屏風と応挙の「秋冬山水図屏風」、森狙仙「秋山遊猿図」。前二つが特に好み!応挙のは「雪松図」を遠景にしたような感じで、キラキラでほのぼのでやわらかな絵。飽きません。

>>> 東京国立博物館


11月はこの他に国分寺にある日立製作所の庭園解放に行ってきました。すごかった!森。人も多かったけど。
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by marinji | 2014-12-31 12:53 | 美術展・博物展のはなし  

オルセー/チューリヒ/一品/北斎/ホドラー/芦雁図/金と銀/名画を切り/ミレー(府中)/デ・クーニング

2014年10月に見た美術展。

10月はそこそこ回ったかな。山種、根津がそれぞれ当たりで勉強になりました。


オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由― (2014/7/9-10/20、国立新美術館)

良くも悪くも大型美術館展。とにかく全部乗せな感じで。”オルセー美術館”展としては確かにそれが正しいのかも?とはいえ見たかった絵のいくつかをここで見ることができて、ありがたかったです。カイユボット「床に鉋をかける人々」(カイユボット展には無かったんだよね!)、カバネル「ヴィーナスの誕生」(よく印象派の説明で引き合いに出される絵!)、なんといってもマネ「笛を吹く少年」などなど。それから印象派の風景画を集めた部屋は面白かった。似たような景色が並ぶことで、画家による画風の違いがよく分かりました。モネの雪景色「かささぎ」も素敵だった。それと、この後ミレー展が二つあるんですけど、ここで「晩鐘」と、珍しい気がするヌード画が展示されてたのもよかったな。

日本で人気の印象派そしてパリのオルセーと来れば人が多かったですが、金曜夜の閉館間際を狙ったのでそこそこ見易かったです。マネに始まりマネで終わる構成だったので、カバネル「ヴィーナスの誕生」とモネ「草上の朝食」の横には関連するマネの大作をパネルででも展示してくれてたらなーと思いました(オランピア、草上の昼食。ともにオルセー所蔵)。もちろん本物が見たいけど、それは難しいだろうし。

>>> 国立新美術館



チューリヒ美術館展 ―印象派からシュルレアリスムまで (2014/9/25-12/15、国立新美術館)

同じく美術館展、そして印象派から始まるとなればオルセーと似たような感じかと思いましたが、こっちはこっちでなかなかに個性的。区切られた部屋ごとに「巨匠のコーナー」「時代のコーナー」が交互に展示され、メリハリがありました。目玉のモネ「睡蓮の池、夕暮れ」もはじめの方でさくっと展示を終え、しばらくうっとりした後は印象派以降をじっくりと辿ることができました。

スイス出身・関連の画家の作品が全体を締めていたように思います。セガンティーニ、ホドラー、ヴァロットン、クレー、ジャコメッティ。特にヴァロットンは先に回顧展があり、ホドラーは同時期に回顧展が行われていたのでちょうどよい復習と予習になりました。

>>> 国立新美術館



「私の選んだ一品2014」展 (2014/10/4-25、東京ミッドタウン・デザインハブ)

東京ミッドタウン・デザインハブ第48回企画展。グッドデザイン賞受賞作の中から71名の審査委員が注目したものをパネルで展示。パネルの並べ方自体がもうデザイン的で素敵だったりしたんですけども、71名分の一品を一つ一つ読んでいくのがなかなか楽しかったです。

>>> Tokyo Midtown Design Hub 東京ミッドタウン・デザインハブ



ボストン美術館浮世絵名品展 北斎 (2014/9/13-11/9、上野の森美術館)

混んでたなー!大雨の日に狙って行ったんですけども。一点ずつが小さいから、人がたまるたまる。とりあえずざーっと回って、全体を把握してからもう一度回って(2・3列目ぐらいから見て)、閉館まで残り30分で入口が閉まってからは前半部分がガラガラになった!わーい。ということで富嶽三十六景や諸国瀧廻りはかなりじっくり近くで見ることができましたよ。今回の謳い文句のとおり、確かに色が鮮やか!綺麗なレモンイエローとか鮮やかな黄緑とか、え?浮世絵でこんな色あったの?っていう驚きがありました。最後の方の作品は最後まで人が切れなかったのであまりじっくり見られず残念。娘の応為の絵があったのも嬉しかったです。太田でやった応為展は見逃してしまったので。

>>> 上野の森美術館



フェルディナント・ホドラー展 (2014/10/7-2015/1/12、国立西洋美術館)

スイス多いなーと思ったら、日本・スイス国交樹立150周年記念なんですね。チューリヒ美術館展で見て気になっていたところに回顧展があるなんて嬉しい。チューリヒでも見た人物中心の絵もよかったけど、風景画も素敵だった。風景画だけを集めた部屋でうっとり。実在の風景のはずなんだけど、架空の世界のようにも見える不思議な世界観。壁が真っ白だったのがよかったんじゃないかな。最初の、死を意識させる静かな絵もよかったな。音がしないわけじゃなくて、音がしていても静かというか。

>>> 国立西洋美術館



東京国立博物館、所蔵品展示・野外シネマ

西美からはしご。入口が大混雑していて何事かと思ったら、”博物館で野外シネマ”というイベントだった。年パス持ってるので楽々入れましたが。館内は空いててよかったです。屏風と襖絵の部屋の展示が、丸山応挙の「芦雁図襖」でした。和室で、この襖に囲まれたいなぁ。それから本館1階の階段の奥。ガンツで戦っていた所!あそこが企画展示で使われてまして。初めて入れたよ。びっくり。日中韓の陶磁名品展でした。野外シネマは「時をかける少女」アニメ版。不思議な空気でした。わくわくしたなー。

>>> 東京国立博物館



輝ける金と銀 ―琳派から加山又造まで― (2014/9/23-11/16、山種美術館)

キラキラした絵が多くて豪華なだけじゃなく、金銀の使い方・技法の説明とサンプルがあって、これが思いの外面白かった。特に、銀がねー。錆びて黒ずんでくるのね!今、その黒くなった作品を見て、元々こういうものだと思ってみてしまっていたんだけど、元々は淡く輝く銀色なんだね。まったく気付いてなかったよ。俵屋宗達・本阿弥光悦の短冊とかさ、あれ、本当は銀色だったんだね。暗い灰色じゃなくてね。

恒例の和菓子からは柿と紅葉のお菓子をいただきました。すっかり秋。お茶も展示に合わせて金箔緑茶で。

>>> 山種美術館



名画を切り、名器を継ぐ ‐美術にみる愛蔵のかたち (2014/9/20-11/3、根津美術館)

新創開館5周年記念特別展。タイトルのとおり、元の状態から改変されている作品にスポットを当てたもので、絵を掛軸にするために切り抜いてしまってたりとか!いろいろぎょっとしました。陶磁器は、割れてしまったのを修復してその継ぎ目も味として新たに楽しむというその工夫ぶりが面白かったです。割ってみたら思いの外割れてしまって落ち込んだっていうエピソードは笑ってしまったけど。侘び寂びとか数寄とか粋とかって大変だ。

所蔵品のテーマ展示には源氏絵・伊勢絵があり、綺麗に揃った屏風絵などを見ながら「そうか、これを一場面ごとに切り抜いちゃうのか…」と企画展の内容を思い返しました。これはよい仕掛け!庭園は春~夏のわさーっとしてた状態に比べてどこかすっきりしていて、やっぱりもう秋なんだなとしみじみ。

>>> 根津美術館



生誕200年 ミレー展 ‐愛しきものたちへのまなざし(2014/9/10-10/23、府中市美術館)

ミレーというと描かれる人物の顔の部分が暗くて表情が分からないという印象だったので、はっきりと描かれた肖像画からスタートして驚いた。最初の奥さんと、その弟、父が妙に似ていて、肖像画を見ているだけで親子だなーと伝わってきて面白い。後半に優しい色合いの風景画などもあり、ミレーの全部、みたいな、全体像を探るような展示でした。私はミレーのあの暗い感じが苦手だったので、それだけじゃないところが分かって面白かったです。トマ=アンリ美術館所蔵作品中心。ミレーはこの他に三菱一号館でも回顧展あり。そちらはど真ん中なミレーですかね。

>>> 府中市美術館



ウィレム・デ・クーニング展(2014/10/8-2015/1/12、ブリヂストン美術館)

1960年代の女性像が中心。初めて見たんですが、抽象と具象の途中みたいな感じが、つい、どっち?これは何?と考えてしまって私には難しかった。抽象まで行っちゃえば平気なんだけど。色は華やかで綺麗!でも肌色、肉の色のピンクなので、綺麗なんだけど妙に生々しかったりも。

コレクション展示は今回抽象画多め?同時代に同じアメリカで活躍したジャクソン・ポロックもあり。ピエール・スーラージュ、ザオ・ウーキーと堂本尚郎の部屋、よかったな!椅子に座ったら、眠っちゃったけど。。。(行った日は眠かった)

>>> ブリヂストン美術館
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by marinji | 2014-12-31 12:05 | 美術展・博物展のはなし  

だまし絵/宇宙博/ヴァロットン/ロンドンいろいろ

2014年9月に見た美術展等。

久しぶりの更新です。ロンドンからはだいぶ前に帰って来ていました。はい。で、9月はロンドンに行った月でして、日本ではあまり見ることができなかったので、ロンドンで行くことができた美術館・博物館の感想も書いてみます。まずは日本で見たものから。


だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵 (2014/8/9-10/5、Bunkamuraザ・ミュージアム)

Bunkamura25周年特別企画とのこと。ポスター、チラシがアルチンボルトだったので古典的なだまし絵が中心かと思っていたのですが、現代アートの方が多かったですね。どちらもそれぞれ面白かったです。エッシャー、マグリット、ダリあたりは、「言われてみればこれもだまし絵か」と少し新鮮な思いで見ました。

パトリック・ヒューズ「広重とヒューズ」は、屏風を立てた時のような凹凸と、そこに描かれた舞台の内容の凹凸(いや、奥行きか)が逆転していて、どうしても脳が騙される。距離と角度を取って、「よしここからなら物体の凹凸のままに見える」という状態から少しずつ近づいてみるのだけど、ふっとその凹凸が描かれている内容の方に入れ替わって、でも物体の凹凸も確かにあるわけだから、ぐにゃーっと視界が揺れる。何度やっても駄目だったなー。

後は、a-ha「テイク・オン・ミー」のPV。実写とアニメの混ざり合い。これは見たことがあったけど、改めて面白かった。そしてこれの音が!会場で流しているのだけど他の作品の邪魔にならないようにということである位置に立つとそこでだけ聞こえるっていうシステムで。ちょっと外れると、音漏れ?っていう音量でしか聞こえない。すぐそばなのに。これもまた知ってたけど、それと気付かずに体験すると驚きでした。これかな。絵じゃないけど、これもだまし作品の一つのよう。

>>> Bunkamuraザ・ミュージアム



宇宙博2014 (2014/7/19-9/23、幕張メッセ国際展示場)

混んでた!いやー、混んでた!終了30分前で入口が閉まるとだいたい空いてくるもんですが、これはずっと混んでたなー。いやもう、正直その印象が強いんですが、内容は充実していて面白かったです。だからこそ空いてる状態で見たかった。夏休み向けの展示はしょうがないか。NASA、JAXAそれぞれの展示スペースがあり、それぞれにたっぶり様々な宇宙関係の機材等々の実物展示があって盛りだくさんでした。

>>> 宇宙博2014:朝日新聞デジタル



ヴァロットン ―冷たい炎の画家 (2014/6/14-9/23、三菱一号館美術館)

開催期間は長かったのに、行くのは遅くなってしまいました。知らない画家だったから、気になるような、見逃してもいいような感じで。でも良かったなー。ねちっとした感じ。スイスだからカラッとしそうなものなのに(勝手なイメージ)、妙に湿度が高い印象。横たわって背中を向けて顔だけ振り向く裸婦が、じわじわエロい(赤い絨毯に横たわる裸婦)。なんだろう、これは。見てはいけないものを見ているような感覚。デザイン、イラスト的な塗り方と構図。色が良くて、パキッとした綺麗な明るい色も明るくなりきらない、でも黒も暗くなりきらない感じ、好きだな。

>>> 三菱一号館美術館



ここからロンドン。

大英博物館 (British Museum):
やっぱりすごい、でかい。とにかくよくこんなに集められるね!と大英帝国の強さを感じざるを得ない。教科書みたいというか、実際教科書に載ってる物もいっぱいあるんだろうな。アッシリアのあたりが好きです。展示も開放的で。ナイト・ミュージアムの新作の舞台が大英博物館だそうで、これはなかなか楽しみです。

自然史博物館 (Natural History Museum):
これまたでかい。でかすぎる。とても回りきれない。しかも英語が読めない(すいませんね)。なのでざーっと流し見!しょっぱなの恐竜ゾーンと、建物自体が特によかったです。中のレストランでお昼を食べました。

ヴィクトリア&アルバート博物館 (Victoria and Albert Museum):
大好き!大好きなんだけど、これまたでかい。今回は二度目なんですが、頑張って地図を片手に全部屋踏破してみました(閉室中だった数部屋を除く)。疲れた。疲れたけど、これで自分的にどこを見ればいいのか分かったので、満足です。また行く機会があるかどうか分からないけど。ラファエロのカルトンの部屋と、Cast Courts という部屋(様々な彫刻の複製群(特にトラヤヌスの記念柱!)がある)が特に好き。中庭でお茶しました。あ、三菱一号館で見た唯美主義の絵に再会できました。

イギリス空軍博物館 (Royal Air Force Museum):
これまたでかかったですが…(でかいしか言ってないな)。実物の展示がどっさりあって、飛行機の歴史を辿っていくような部分はうっひょー!って感じだったんですけども、徐々にこう、近現代の戦争ゾーンに入って来ますとですね、無責任にかっこいいとだけ言っているわけにもいかないムードが漂い出すわけでして。こう、お腹のあたりが、ずしーっと重いような気分になって博物館を後にしました。

ナショナル・ギャラリー (National Gallery):
ここの併設のカフェで朝食を食べてみたくて、今回それが叶いました!ふふふ。朝食を食べてから、いざ展示へ。二度目なんですけど、改めて、大作・名作がごろごろしてて満漢全席。腹いっぱいです。それにしても、大英もなんだけど、イギリスって美術史的には後発国で自国の作品っていうのは少ないんだけど、よくこんなに他国から集められるよね。どんだけお金持ってたの(と今更思う)。そのおかげでこうやってまとめて一気に見ることができるのはありがたいことです。自国作品が少ないからか各国の作品がバランスよく揃ってる気もするし。そういえばナショナル・ギャラリー展って聞いたことない気がするけど、貸し出しはしない方針なのかな?

テート・ブリテン (Tate):
私は「テート・ギャラリー」という呼び名の方がまだ馴染みがあるんですが、今は「テート・ブリテン」と「テート・モダン」なんですね。モダンの方までは行けませんでしたが、ブリテンは行きました!行きたかったんだ、ずっと。オフィーリアがあるから。それにラファエロ前派展で見たロセッティの作品も、ラファエロ前派展にはあまり無かったバン・ジョーンズ、ウォーターハウスも。イギリス絵画の歴史を辿ることができる美術館なんですが、ラファエロ前派の間だけでウハウハでした。ターナーもいっぱい。ウイリアム・ブレイクの作品もあって、満足。

もうちょっと小粒の美術館、博物館も行ってみたかったんですが、時間切れ。そしてずっと建物の中にいるのがもったいなくも感じてしまって。町歩きとか、公園散策とかも楽しかった。
  
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by marinji | 2014-12-31 11:51 | 美術展・博物展のはなし