[美術展] 松竹梅/水/ラファエル前派/ワイン展
2016年1月に見た美術展等≪前半≫。最初は東博かなと考えていたんですが、とある用事で行ったレストランの目の前が根津美術館だったので、根津さんから。
松竹梅 -新年を寿ぐ吉祥のデザイン (2016/1/9-2/14、根津美術館)
お正月らしく、松竹梅と干支の猿が描かれた作品と、華やかな能装束の展示。去年の羊と違って、猿は描かれてますねー。刀や印籠にあしらわれてるのも素敵でした。庭園も冬らしい佇まいで落ち着く。百椿図の展示も華やかでお正月ぽくていいですね。
>>> 根津美術館
水 -神秘のかたち (2015/12/16-2016/2/7、サントリー美術館)
二回目。1/11で展示終了の日月山水図屏風を見納めに行ったら、1/7から展示開始の宇賀神像が強烈過ぎて…本来は年二回しか開帳しない秘仏だそうですが、なんというか…夢に見そう(もちろん悪夢)。弁財天も、あんなの頭に乗せてる場合じゃないと思うよ!いやー、びっくりした。宇賀神像については、説明したいけどネタバレしたくない。何も聞かずに見て欲しい。あんなに近くでじっくり見れる機会は少ないんじゃないかと思うし。
宝珠をしまっていたという箱だとか、龍が絡みついている剣だとか、神聖で、ある意味オカルトっぽいものがこれでもかと並んでいてクラクラしてきます。最後に水の聖地ということで宮島などが描かれた屏風があるんですけど、そこに描かれる人々の営みにほっとしてから出ました。
>>> サントリー美術館
リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展 (2015/12/22-2016/3/6、Bunkamuraザ・ミュージアム)
ラファエロ前派、好きなんです。ミレイ、ロセッティ、バン・ジョーンズ、ムーア、ウォーターハウスと有名所が揃ってて、サイズ的に大きめの作品もあり、久々に西洋画で思いきりうっとりできました。二年前の唯美主義展(三菱一号館、ザ・ビューティフル)とラファエロ前派展(森アーツ)を足して2で割ったようなラインナップです(作品は重複無し)。ムーアいいなぁ。意味なく美しくて。もう一回見に行きたいな。
ちなみに”リバプール国立美術館”というのは、そういう建物があるわけではなくてリバプールにある美術館(ギャラリー)郡の総称なのだそうです。
>>> Bunkamuraザ・ミュージアム
ワイン展 ―ぶどうから生まれた奇跡 (2015/10/31-2016/2/21、国立科学博物館)
「Zone1.ワイナリーに行ってみよう」「Zone2.ワインの歴史」「Zone3.ワインをもっと楽しむ」という三部構成でした。Zone1はワインの醸造についてなど。疑似体験できるようなセットもあり、面白かったんだけど展示を見るというより説明パネルを読ませる感じでちょっと疲れました。酵母を顕微鏡で見ることができたのは科博ならではかと。Zone2は様々な遺物などで博物館的な面白さ。日本でのワインの発展の歴史も面白かったです。Zone3は香りの分析と酒器とシャトー・ムートン・ロートシルトのアートラベル。目玉である2010年にバルト海の沈没船から見つかったという約170年前のシャンパーニュはZone3にあって、見た目でどうということは無かったですがなんともロマンがあります。味はどんな状態なんでしょうねー。
アートラベルは初めて見たんですが、ピカソ、ダリなど超有名どころから、大好きなポール・デルヴォー、フランシス・ベーコン、今年Bunkamuraで個展が予定されているアレシンスキー、堂本尚郎さんなども。既存の名作のラベル化ではなく都度依頼しているそうなので、この人が選ばれるのかと新鮮な驚きも。フランスの画家から選ぶってわけでもないんですね。個人的にはこれが一番面白かった。美術展的な楽しさだけど。調べてみたら森アーツセンターギャラリーで原画展をやってたんですね(2008年)。いいなー。
>>> 国立科学博物館
>>> ムートンのラベルを描いた画家一覧(wiki、英語)
>>> Mouton Rothschild - Paintings for the labels
*写真は根津美術館の庭園にて。
by marinji | 2016-01-16 14:48 | 美術展・博物展のはなし