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初もうで/ゴンドリー/雪月花/ミレー/みちのくの/織部/琳派/ホイッスラー/東山魁夷/双羊尊

2015年1月に見た美術展。今年もゆるゆると気の向くままに見ていければと思ってます。

少し前からちょこちょこと書き溜めてたんですが、投稿が遅くなってしまいました。
そういえば今年は琳派400年で徳川家康没後400年で古田織部没後400年だそうですね。なんなんだ1615年。


博物館に初もうで~ひつじと吉祥~ (2015/1/2-1/12、東京国立博物館)

正月恒例、トーハク詣で。本館入り口前では獅子舞が。長谷川等伯の松林図屏風、毎年決まった時期に見ることができるのっていいですね。去年は閉館時間まで粘って、人が少ない状態で静かに見たんだけど、人が多いのも正月っぽくていいかもと思った。親戚の家に人が集まる感じというか。

羊関連の作品を集めた展示は、日本ではほとんど描かれてこなかったということが分かって驚き。干支に入っているのに、生息してなかったんですね。他は12月に行った時とあまり変わってなかったのでちょい残念。(自分的に)

普段の本館はガラガラだけど、行った日(1/3)は賑わってました。外国人客も多い。刀と鎧と着物の展示があるのが良いよなー。一階にいた十二神将の影がサタデーナイトフィーバーだった!

>>> 東京国立博物館



ミシェル・ゴンドリーの世界一周 (2014/9/27-2015/1/4、東京都現代美術館)

展示最終日に来てしまったので混んでました。都現美、初めて行きましたがでかいですね!コレクション展示も楽しみました。

ミシェル・ゴンドリーといえばビョークのPV。さて他にどんな世界が…と思って行ってみたら、半分は映画撮影ワークショップ用のセット。その行為を通してミシェル・ゴンドリーの世界に触れる、ということかなと思うのですが、彼の作品を見るつもりで行ってしまったのでそういう意味では物足りず。うーん、調査不足でした。実際に撮影したら楽しいでしょうね!

数々の音楽PV作品を見ることができるインスタレーションは面白かった!壁にPVが映し出され、専用のヘッドホンで音を聞きます。一定時間(30秒ぐらい?もっと短かったか?)経つと、映像は別のPVへと切り替わり、それまで映し出されていたPVはとなりの壁で続きが映し出されるというもの。気になるPVを追いかけて部屋中まわったり、一箇所で次々と流れてくるPVを見続けたりして堪能しました。追いかける人が多いPV、少ないPVがあり、Chemical Brothers の Let Forever Be が特に人気だった。

>>> 東京都現代美術館



雪と月と花 ~国宝「雪松図」と四季の草花~ (2014/12/11-2015/1/24、三井記念美術館)

正月恒例の丸山応挙「雪松図屏風」と三井家のお宝ざっくざくでうっとり!人多め。雪松図は遠くからは眺められず、近くから。雪松図は一年前にも見ていて、今回は酒井抱一の襖絵が目当て。木目を風の流れのように使って、おしゃれー。山口素絢「雪中松に鹿図屏風」にびっくりした。あれもうポップアートだと思う。江戸の日本画じゃなくて。他にも色々とよくって、三井家すごい。水晶のための飾り台も素敵だった。宝石じゃなくて三井の鉱山で採れた鉱石を貼りつけてるのが粋。茶碗の銘・残雪は色が綺麗だった!オフホワイトとベージュのツートン。

それにしても、もっとちゃんと日本史を勉強しとけばよかったな。

>>> 三井記念美術館



ボストン美術館 ミレー展 傑作の数々と画家の真実 (2014/10/17-2015/1/12、三菱一号館美術館)

12月に一度見て、今回二回目。終了一日前の閉館一時間半前に行ったら混んでた!でも、だいたい30分並んで、だいたい30分で一周して、残り30分で二週目に入ったらもうガラガラ。三菱一号館、最後で階段を上ればふりだしに戻れる構造なんですが、思いの外二周する人がいないですね。逆流はしづらいから、階段に気づかずにあきらめるのかな。もったいない。おかげで私は堪能できました。

ミレーの、顔を描いてない絵は私はやっぱり苦手。「羊飼いの娘」とか…顔の部分が空洞みたいに見えてしまって、下手にマグリットを見るより怖い。明るい絵なのに。個人を特定しないようにという狙いかとは思うのだけど。そこが気になりにくい「馬鈴薯植え」は風景の色も明るくて好き!それと母と子の編み物の絵とか、温かくていいです。晩年も印象派になりかけてて明るくていい。

>>> 三菱一号館美術館



みちのくの仏像 (2015/1/14-4/5、東京国立博物館)

ああ、みちのくなのねーっていう素朴な仏像から始まり、シュッとした外国人のような仏像も円空も。展示数自体は少なめだったと思いますが、見応えありました。本館、正面階段裏の部屋での展示です。

国宝&重文の豪華キャストはもちろんのこと、説明文に盛り込まれた震災での文化財の損傷・修復についての解説に胸を打たれました。

>>> 東京国立博物館



没後400年 古田織部展 (2014/12/30-2015/1/19、松屋銀座8階イベントスクエア)

これは行くタイミングを失敗して。とにかく混んでて、ほとんど「見た」っていう記憶が無い。失敗したなー。東博のガラガラ常設展示はなんとありがたいことか…。その東博も最近織部焼の展示が少ない気がするけどここに出展してたのかな?それにしても残念でした(←自分が)。

>>> 松屋銀座 展覧会&ギャラリー



岡田美術館所蔵 琳派名品展 (2015/1/21-2/2、日本橋三越 新館7階ギャラリー)

古田織部展で反省して、悪天候かつ平日夜に行ってみたら正解。空いてたー!でも思ってたよりは人がいたなあ。岡田美術館は場所と入館料からどうも行く気が起きないので、一部であっても日本橋で見ることができたのはラッキーでした。

目玉と思われる、光琳の屏風絵、抱一の襖絵はイマイチ…好みじゃなかったなー。うーん。なんだろうなぁ。あ、抱一の方は理由がはっきりしていて、動きが無かったから。三井で見た襖絵や、東博にある月に秋草図屏風のように風に吹かれてるのが好きなんです。雷神の掛け軸は良かったな。鈴木其一、尾形乾山、神坂雪佳も良かった!乾山は焼き物はもちろんなんですが絵の展示もあって、これがけっこうよかった(好み)です。それと、琳派の前として紹介されていた長谷川派「柳橋水車図屏風」は金の色味が非常に綺麗でうっとり。加山又造作品まであったのはびっくりでした。

>>> 日本橋三越



ホイッスラー展 -ジャポニスムの巨匠、ついに日本へ(2014/12/6-2015/3/1、横浜美術館)

ホイッスラー、まとめて見てみたかったんです。なのでこれは嬉しかった。展示は「人物画」「風景画」「ジャポニスム」に分かれていたんですが、最初の人物画がよかったな!展示室も、赤い壁に大きめな人物画3点を並べていたのがなんとなく外国の美術館ぽくて。

ところで私はホイッスラーというと「白のシンフォニーNo.1 -白衣の少女」の印象が強くて(本物は見たことないですが)、こういう絵ばかり描いてるのかと思い込んでたんです。モディリアーニみたいに。全然違いましたね。「白のシンフォニー」でさえ、No.2と3は1とはちょっと違う印象だし。No.1はちょっと、この世にいない感じがするけど、No.2と3はわりと生きてる感じがする。それから、風景画は色が良かったな。展示作品は油彩画よりもエッチングが多い印象で、それはそれでレアな気もするんだけどもっと油彩画が見たかった。ジャポニスムは影響を受けたと思われる浮世絵の展示もあり、見比べられたのは面白かったです。それにしても、モネもだけど、浮世絵に影響を受けたとしてなぜどんどん形が無くなっていくのかしら。むしろくっきり形を描きそうなのに。

それから、ピーコックルームの映像展示もよかった!持ってこれないものは、映像でも見れると嬉しい。

>>> 横浜美術館



没後15年記念 東山魁夷と日本の四季 (2014/11/22-2015/2/1、山種美術館)

東山魁夷の作品というと、綺麗だけど自分にはピンと来ないっていう印象だったんですが…見てみたら良かった!吸い込まれる。特に真っ白な雪の中にきじばとが描かれた「白い朝」。オルセー美術館展で見たモネの「かささぎ」を思い出す。どちらも、色彩(色才)豊かな画家が白を描くっていうのがなんとも!たまらんですな。

わりと画風の変化が少ない人だと思いますが、同時代の関連する画家の作品の展示もあり、見飽きない構成でした。

恒例の和菓子からは筍と雪景色をいただきました。

>>> 山種美術館



動物礼讃 大英博物館から双羊尊がやってきた! (2015/1/10-2/2、根津美術館)

根津美術館のチケットにもなっている双羊尊。世界で2体しか確認されていないのだそう。そのひとつが根津、もうひとつが大英博物館にあるのだけど、今回、両方まとめて見られました。すぐ近くで見比べられたのは面白かった。泉屋博古館蔵の諸々も良かったです。こんな世界もあるのね。

冬の庭園もシャキッとする感じで良かった。

>>> 根津美術館
 

by marinji | 2015-03-26 23:36 | 美術展・博物展のはなし  

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