リー・ミンウェイ/奈良原一高/高松次郎/赤瀬川原平/エルメス/仁阿弥道八/ミレー(三菱)/古画降臨

2014年12月に見た美術展。

改めて並べてみると、一つ一つが濃いな。


リー・ミンウェイとその関係展 参加するアート-見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる (2014/9/20-2015/1/4、森美術館)

9/20からやってたんだけど12月にやっと行きたくなって、森美術館は22時までやってるから思い立ったらすぐ行けた。ありがたい。(火曜日のみ17時まで)

作品はいわゆる芸術作品とは違って、体験型というか観る側も一緒になって作るというか。例えば、広い台の上にいくつもの箱が置かれていて、開けてみると、応募した人たちの思い出の布(で作られたもの)と思い出を綴る文章。ひとつひとつ開けてはしんみりしたりじんわり温かくなったり。また、手紙を書いて残して行ったり。中には、リーさんと二人きりで食事するとか一緒に美術館に泊まるというものも!(応募して当選した人のみ)

それがアート作品なのか?というのは私にはなんとも言えないけど、とにかく面白かった。なんらかの方法で誰かとつながってゆく、ということが今気になっているっていうことなんだと思う。思い返せばこの一年はずいぶん勝手に過ごしてたから。

展示室内に設置されたリビングルームで館長の話を聞きました。ソファで少人数でくつろぎながら。今思い出しても不思議な体験。

>>> 森美術館
>>> リー・ミンウェイさんの、アートのかたち - ほぼ日刊イトイ新聞



奈良原一高「王国」 (2014/11/18-2015/3/1、東京国立近代美術館)
高松次郎ミステリーズ (2014/12/2-2015/3/1、東京国立近代美術館)

「王国」は写真展。1958年の作品ですが、ニコンより寄贈を受け、今回展示となったものです。白黒で、修道院を撮影した「沈黙の園」と女性刑務所を撮影した「壁の中」の二部構成。どちらも、ものすごい緊張感。写真越しにヒリヒリした空気が伝わってきました。現実のはずなんだけど、現実に見えない。なんだろう。もう一度見てみたい気がします。

高松次郎ミステリーズは、近美所蔵の作品が好きなので行ってみました(「遠近法の椅子とテーブル」と「No.273(影)」)。作品はクール、おしゃれ、頭よさそう。よく分からないけどわりと好き。”ミステリーズ”とタイトルについているだけあって作品の謎解きをするような構成になっていましたが、私はわりと、謎のままで好きになれました。理解できてるかと言われると、理解できてないだろうけど。

企画展込みの年パス(友の会)ができたので、さっそく購入。トーハクと同じで企画展は1展1回のみですが5000円と安いです(12月中に購入すると4000円でした)。これで国立の美術館の常設展にも無料で入れるということで西美の常設に入れるよわーい!(たまに常設だけに入りたくなるんです)

>>> 東京国立近代美術館



赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで (2014/10/28-12/23、千葉市美術館)

開催直前(10/26)に赤瀬川さんが亡くなられて、驚きました。私は赤瀬川さんというと日本美術応援団。ハイレッド・センターや千円札裁判については言葉は知ってるけど…という程度だったので、一通り網羅した(と思われる)この企画展は大変興味深い内容でした。

ちょっと引きそうになる現代アートだなーっていう作品から、アングラでドロドロだけどポップな作品へ、そして老人力で終わるっていう…その開け方がすごい。何かしら新しいものを思いついて、それで成功して、でも数年立つと興味を失うっていう繰り返し、ただすごいなーと思います。そもそも思いつかないし成功しないもんな。

千円札裁判の資料が非常に面白かったです。裁判所で現代アートの説明をするくだりとか。裁判までもがアートイベントみたいになってて、なんかもう、関わった皆さんお疲れ様でしたって言いたくなりました。

近美の所蔵作品展示に中西夏之さんの作品もあったので、ハイレッド・センター(高・赤・中)の3人の作品をまとめて見ることができました。中西さんは数点しか見てないので、難しいんだかポップなんだか…まだよく分かりません。

>>> 千葉市美術館
>>> 貧乏と芸術の間の千円札。 -ほぼ日刊イトイ新聞



エルメス レザー・フォーエバー (2014/12/2-12/23、東京国立博物館 表慶館)

エルメスの製品はひとつも持ってないのだけど、表慶館での展示というのが気になって見てきました。表慶館(洋館)にエルメスの製品の数々、よく合ってる。新作のレビューみたいなのを想像してたけど、これまでの歴史が中心で使い込んでいい色になった革のバッグなどあり。革は使い込んでからがいいですよね。馬の鞍・ブーツがあったのも革製品を扱うってのは、なるほどそうか、と納得。素敵でした。買えるかどうかは置いといて、欲しくなります。今から買って、30年ぐらい使い込みたい。いや、買うかどうかは置いといて。置いとこう。

特注の製品展示に1個の林檎用のバッグがあって、かわいかったー。ていうかいくらよ、あれ。

本館の常設展示には若冲「松梅群鶏図屏風」、応挙「虎嘯生風図」、白隠「福神家訓」など。1階の仏像のコーナーには十二神将立像で、眼福。

>>> 東京国立博物館
>>> Hermes -エルメス レザー・フォーエバー展



天才陶工 仁阿弥道八 (2014/12/20-2015/3/1、サントリー美術館)

19世紀前半の方なんですけど、まずは、写しがうまくて。この時代までに確立されていた焼き物のジャンルをいろいろと写していて、それがまた全然違う作風なのにどれもうまい。少なくとも私みたいない素人には写しじゃなく元祖の物のように見える。野々村仁清風だったり、青磁やら高麗茶碗やら。これはうま過ぎて特徴がよく分からないっていうパターンかなと思いましたが、動物等の置物がなんとも言えないかわいらしさ、面白さだった!

年内に行ってしまいましたが、年明けに見る方がおめでたい感じでいいかも。

>>> サントリー美術館



ボストン美術館 ミレー展 傑作の数々と画家の真実 (2014/10/17-2015/1/12)

府中のミレー展は全体像を探るような展示でしたが、こちらはミレーらしいミレー。風景画、農民画が中心です。そしてミレーの作品だけでなく同時期同ジャンル(バルビゾン派)の作品も。おかげでミレーの独特な、真面目というか暗いというか清貧というか真面目というか真面目というか真面目か!な画風がよく分かりました。また、府中のショップで買った井出洋一郎さん(府中市美術館館長)の「ミレーの名画はなぜこんなに面白いのか」に今回展示されている作品も広くカバーされていたのでこれからまた読み返してみようと思ってます。

気になったのは…額縁がどれもこれもギラギラだったこと。描かれてる内容が貧しい生活風景だったりするだけに、それに金色でゴッテゴテな額がついてるのがなんとも…。もうちょっとさりげない額だったらいいのになー。写真で見る時はだいたい絵の部分だけで額までは写っていないので、これは意外でした。もちろん三菱一号館に対してじゃなくて所蔵元のボストン美術館、またはさらにその前の所蔵者への話。

>>> 三菱一号館美術館



「古画降臨-Coga Calling-」山本太郎展 (2014/12/24-2015/1/6、日本橋タカシマヤ6階美術画廊)

ゆるい琳派で「ゆるりんぱ」。かわいいな。山本太郎さんの作品は初めて見たんですが、ちょっと、これからしばらくチェックしてみようかと思いました。新宿タカシマヤでも展示されるのでそっちでもう一回見ようかしら。日本橋高島屋、入口入ってすぐの正月らしい展示も山田太郎さんの作品で、華やかで、めでたい。

画廊ということで絵の値段が書かれていて、「おお、これは○○円…買おうと思えば買えるな…」と考えてしまいました。自分がその作品を所有したいと思うかどうか。過去の名作も当時はそういう風に誰かが悩んだはずで。もちろん自分は大物パトロンにはなれないですが、それでも何らかの作品の所有者になるだろうか?ということを最近少し考えます。

※ダンス甲子園で政治家の山本太郎氏とは別人。

>>> 日本橋タカシマヤ 6階 美術画廊 等
>>> 山本太郎 公式WEBサイト|ニッポン画大全
>>> 琳派400年記念祭


2014年の美術鑑賞はこれで終わり。年内に行きたかったけど行けなかったのは、現美のミシェル・ゴンドリー展、松屋銀座の古田織部展、未来館のチームラボ展。年明けに頑張る。あと、ベスト10を選ぼうと思っていたのだけど、年明けにゆっくり選ぶことにします。

それでは、よいお年を。 
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by marinji | 2014-12-31 22:39 | 美術展・博物展のはなし  

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