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シャルダン展(東京・大手町)

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東京駅から歩いてすぐの三菱一号館美術館、「シャルダン展 -静寂の巨匠」です。少し前に行ってきました。ジャン・シメオン・シャルダン(Jean-Baptiste Sim on Chardin, 1699年11月2日 - 1779年12月6日)。ロココ時代のフランスの画家。このポスターで、真っ赤な木苺が三角に積み上げられた絵を見かけた方はけっこういるんじゃないでしょうか。にわか美術好きの私にとっては、名前は知らないしポスターになってる絵もそこまで惹かれずあまり行く気は無かったんですが、建物が気になって行ってみたら面白かった!

まず場所が素敵。建物が。明治時代に建てられた洋風のオフィス用の建物をレプリカ再建したとのことで、展覧会用のハコっていう感じじゃなくて、ちょこちょこと部屋が分かれていてしかもちゃんと壁とか床とかが部屋の内装になっていて、ちょっとした小さな部屋に二・三枚だけ絵がかけられたりしてて、なんとも素敵。ヨーロッパの美術館で見る雰囲気に近いというか、どこかの立派な屋敷に上がらせてもらってる感じというか。持ってきて壁にかけました、じゃなくて、元々そこにあるもの…という感じがして、それがまたシャルダンの絵にぴったりで、しみじみ良かった。他の人の絵だとどうなるのか、それもまた見てみたいなあ。

絵は、サブタイトルの通り、静寂…静物が中心なのだけど、目の前にある止まっている物そのものだけでなくその周囲の空気や流れる時間まで描きうつしてるようだと思った。瞬間を切り取ってるんじゃなくて、空気・時間が流れてる。食べ物なんか、しばらくすると時が流れた分腐ってくるんじゃないかと思うぐらい。人物画でも静か。静かだけど、時は止まってなくて、流れてる。

金属と陶器の質感は絶品!銅鍋には惚れ惚れ。布や肌はそうでもないかな。花も。それから食べ物がまったくおいしそうじゃないのが印象的。食べ物だっていう情報無しに、ただ目の前にある物体としてその姿を追求してる感じ。ポスターにもなった木いちごだけは唯一おいしそうだと思ったけど、あれはおいしそうに見えるように描いたわけじゃなくて色が赤っていうのが大きいんだと思う。

とにかく、バーンと派手な絵では無いので、この建物のように”部屋”に展示されているのがよかったと思います!たっぷり見られてお腹いっぱい。あ、それぞれの絵の説明にサインの場所が書かれてたのが面白かったし、よかった。その情報を頼りにサインを探してみるとうっすら、気付かないよって程度に書かれているサインを見つけることができて。


空き具合もほどほどで、文句無しだったんですが、敢えて言うと、話してる人が多いのが残念。これは場所柄だと思うのだけど。美術展に来たというよりもうちょっと気軽な感じなんですね。それはそれで悪くないと思うのだけど・・・でもやっぱりすぐ横で「木いちご、木いちご、ふうーん、これ木いちごだって」「へー」なんてやられると。。。それが耳に入らないくらい集中できてればいいんだろうけど・・・私にはまだまだ。


シャルダンから影響を受けた画家としてミレー、セザンヌ、マルケの絵も展示があり、このセザンヌの静物(りんご)が素敵・好みだった。


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2013/1/6までです!

>>> Chardin シャルダン展―静寂の巨匠|三菱一号館美術館
>>> 三菱一号館美術館

by marinji | 2012-11-12 00:27 | 美術展・博物展のはなし  

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